飢餓海峡

水上勉著、飢餓海峡を読んだ。

飢餓海峡(上) (新潮文庫)

飢餓海峡(上) (新潮文庫)

北海道から下北、舞鶴にかけての戦後間もない時期における考えさせられる物語。著者もあとがきで述べているが、推理小説ではない。物語の設定と人物描写などは、さすが水上さん、と唸らせるものがあり、下巻は一気に読んでしまった。日本の寒村を描かせたら右にでるものはないと思う。越前竹人形で有名な福井の一滴文庫を訪れてから、水上作品を読んでみたいと思っていたが、なかなか読破する機会がなかった。この飢餓海峡も大分前に上巻の1/3くらいまで読んで、頓挫していたのだが、先週からキンドルで読み始め、上巻を終えたところで弾みがついて、最後まで読み上げてしまった。
最後は、なるほど、そう終わるのね、といった感じ。自分の船で泊港まで、とリクエストした時には、「もしかして」と思ったが・・。