撮影機材について・・・

関西取材で撮影したリバーサルフィルムが出来上がってきた。今回は少し写真について書いてみたいと思う。取材時の主力写真機は、「リバーサルフィルム」ということから分かる通り35mm銀塩フィルムカメラである。機種はキヤノンT-90。もっとも使用頻度の高いレンズはNew FD 20-35mm F3.5Lですね。今回の大阪行きでは不覚にも大好きな20-35Lと思って持ち出したレンズが、クッションバッグを開けると24mm F1.4Lであった。

通常バイクでの取材時はT-90に20-35、14mm F2.8L、50mm F1.2Lと広角を中心としたラインナップで、望遠が必要と思われる場合(あまりないが)は80-200mm F4Lを追加する。車での取材の場合は80-200に変えて300mm F2.8L(通称サンニッパ)をトランクに放り込む場合が多い。ブログトップのRX-7の写真はそのサンニッパで撮影したもので、ニカ家では白バズーカとも呼ばれている。噂通り非常にきれいな写真が撮れるが、とてもでかくて重いので、バイク取材ではとても持って行く気にはなれない。フィルムはプロビアの場合が多い。

デジタルの時代になぜフィルムを?の答えは簡単。FDのLレンズが格安で手に入るからですね。20年前いや30年前のプロ用機材がオークションや中古カメラ屋で投げ売りされているので、それをコツコツ集めて現在の機材に落ち着いた、といったところ。道具じゃなく腕だよ、写真は、というコトを言う人もいるかと思うが、まず道具から入るのがニカ流。その腕を上げるのはやはり撮影枚数を稼ぐことが一番近道、と考え、数年前までネガフィルムでじゃんじゃん撮りまくっていた。ここに来て、まあそこそこ撮れるようになったのかな、と思い、ポジに切り替えて撮影している。

キヤノン以外の一眼レフは使ったことが無いので分からないが、ノーマルレンズとLレンズはやはりシャープネスと発色が違う(ように感じる)。キヤノンにこだわっているわけではないが、子供の頃に親に大おねだりして買ってもらったのが、キヤノンA-1。珍スポ取材における写真撮影を本格的に始めようと思った時に手元にあったのが、このA-1。すこしシャッター鳴きがあったので、修理に出したくらいで、他の動作はまったくの完動品。こいつには大分お世話になりました。いわゆる標準レンズ50mm F1.4とタムロンの望遠ズームしか無かったので、なぜか85mm F1.2Lをヤフオクで落札し、それをマウントしてファインダーを覗いたときの驚きは今でも忘れない。視野がものすごく明るい上に、ピンが行っているところが非常に鮮明なのである。これとは表裏一体なのだが、開放近くでの撮影の被写界深度の浅さはまるで紙一枚といったところで、ピンぼけ写真を量産したのであった・・・。

これ以降、Lレンズの大ファンとなり散財への道をまっしぐら。古いLレンズが格安と書いたが、定価から考えれば格安なのであって、それなりの値段はしますから・・。ボディもA-1も使いながら、New F-1もワインダー付きをヤフオク仕入れ、かなり使ったなぁ〜。A-1のエンプラボディに比べれば金属筐体のズシリ感は流石プロ用。しかもシャッター音がとてつもなく派手なところも、写真撮ってま〜すという感じで堪らない。A-1用モータードライブなども手に入れ、単三電池16本(だったけな?)を入れて持ち歩いたりもしたが、現在はより高いスペックで軽量なT-90に落ちついているのであった。

なんとかお気に入りのFDレンズをデジタル撮影に利用できないかと、長年調査はしていた。長玉であればイオスに使える純正アダプターがあるが、ヤフオクでも滅多に見かけないことや、たまに出てきても4万円前後になってしまうことが多く、広角を多様するニカとしては、満足できないものであった。1万円前後で売られているイオス用のアダプターも使ってみたが、全然お話にならない。アダプター内にあるレンズがお粗末で、その先にあるLの意味がまったく無くなってしまうのである。Kissデジのマウント部分を改造してFDを載せられるようにした強者もいるようだが、自由に使える旋盤も無いし、そもそもそんな腕もない。

まあ、無理だろうな、とあきらめていたときに出たのか、パナソニックの女流一眼G1。マイクロフォーサーズという規格で、APS並の画素ではあるがレンズなしのアダプターでFDが使えるとのこと。早速G1を購入。新品のカメラを自分のお金で買ったのは、もしかして初めてではないだろうか(いや、KodakDC-20だったけ6枚撮りのデジカメは新品で買ったし、その後のFinePixも新品で購入したのを思い出した)。同時にレイクオールのアダプターも注文し、両方が揃った時点でFDのデジタル撮影をやってみた。当然オートフォーカスや絞りの自動調節は効かないので液晶を見ながらピントを合わせるか、電子ファインダーを覗きながら撮影することになる。電子ファインダーは画素が荒く、これだけでは正確にフォーカスを決めるのは無理であるが、一部を電子的に拡大する機能がついているので、これを使うと何とかファインダーが使える。設定の問題かもしれないが、時間がたつと勝手に拡大が終わってしまうのは何とかして欲しい。

ボディが目的であったが、付属している標準ズームで撮影してみたら、これがなかなかの写りを見せた。そのうちFDレンズとパナのレンズの味の違いなどもレポしようと思うが、この写りなら取材用機器はG1でも良いかな〜などと思うようにもなったのである。そうなると取材の主力である広角側のズームも欲しくなってしまったが、がまん・がまん。

とりとめもなく長文を書いてしまったが、今日はこの辺で。