ローバーMG-F

ネットをうろうろしていたらローバーMG-Fのエンジン・カムカバーを開けたページに出会った。

MG-Fは2004年秋に会社の先輩に譲っていただき、ユーノス・ロードスターNA8Cから乗り換えたのであった。当時はとても迷ったが、ロドスタ君にはきっと次の良いオーナーが見つかるはず、と考え三ツ沢のディーラーに引き取られたのであった。英国車はもとより、外車のオーナーになるのは初めてであった。先輩より一週間試乗させてもらい、結局かなり格安でニカ家にもらわれてきたのであった。ブリティッシュグリーンのノーマルカムでリアトランク上にキャリアを乗せているタイプ。


ロドスタ君と比べ、全てにおいて「むっちり」した乗り心地で、ステアリングを切った時にも、スロットルを踏み込んだときにも、「むにゅ〜」という感じがする。噂のハイドロサスもライトウェイトスポーツというよりも、もっとソフトなタッチになっている。ミッドシップだけあって、フロントはとても軽い。この個体は前のロドスタと同じで、雨漏りに関してはとてもアタリで、殆ど漏れはなかったと記憶している。右ハンドルであったが、方向指示器とワイパーが逆についているのはご存じの通り。ウィンカーでの方向指示とシフト操作を全て左手で行わなければならないので、とても忙しい。また、それまでのロドスタは楽ちんオートマだったので、左足ブレーキにしていたところを、通常の右に戻さなければならなかったので、慣れるのにしばらくかかった。


「外車、特に英国車は壊れるよ」という噂は本当で、2005年のローバー社倒産でどうなるかと思ったが、近くにローバーを専門に扱う工場(当時はオートノックッス、現トノックスさん)があって良かった。で、もっとも大きな修理はKシリーズエンジンでは有名なシリンダーガスケット抜け。なんかクーラントの減りが早くなってきたな〜と思っていたら、駐車場の床にお漏らし跡。丁度車検だったので相談してみると、基本的にエンジンを降ろして開けてみないとわからない、ということだったので、この先もずっと乗り続けるつもりだったので、お願いした。するとやはりガスケット劣化で、このままにしておくとクーラントだだ漏れでエンジンが逝ってしまう。エンジンを降ろしている今の内に交換、ということで車を譲ってもらったのとほぼ同金額で修理を行った。


その後はとても快調で、北は北海道から南は和歌山(意外と行っていないのね)まで、2008年にFD3Cに乗り換えるまで、色々なところに一緒に取材に出かけたものである。下北の奥薬研温泉から一気に横浜まで東北道を南下したもの、今では懐かしい想い出となっている。確かに、維持費は国産車と比べればおそらく倍以上掛かるのでは?でもガスケットも換えたし、あと十年は乗るぞ〜と思っていたある日、例によって北関東への取材のため常磐道を走っていた。すると単に直進しているだけなのに、突然右に振られる。轍でもあったかな?と思いしばらく走ると忘れた頃にまた同じ現象が・・。その後、時々同じ症状が現れ、工場で観てもらうも原因不明。だんだん酷くなってくるので、これ以上乗り続けるのは無理、と判断し乗り換えを決意。次期主力マシンを物色し、ロータスもいいなとか、BMWも勧められたりしたが、以前より程度の良いFDがあれば教えて、とお願いしていた港北マツダから電話があり、即決してしまった、と言う経緯。


おそらくサスペンションの不具合だと思うが、あれさえ解決してれば、まだ乗っていただろうな、と少し残念に思う今日このごろではある。2010年の今では、比較的残存個体の多かった横浜でも殆どすれ違うことも無くなってしまったのは少し悲しい気もする。ガスケット交換直後の絶好調MGを駆り、箱根ターンパイクを飛ばし、あるカーブをクリアした先の駐車場に緑のMG-Fが。「おおっ!MGがいるぞぉ」と思い、そちらを観ると、そのオーナー達もこちらのMGに気付き、両手を振って挨拶してくれたのがとっても印象に残っている。港北マツダに引き取られた後、しっかり整備されて次のオーナーに大事にされていると良いな〜。ちなみに引き取られる前には、きちんと不具合の説明はしましたよ。